
四君子(しくんし)
2012/2/5
お仏壇を飾る彫刻には、鳳凰や天女、花鳥などたくさんの種類がございますが、今回は、私が好きな「四君子」をご紹介します。四君子の四は蘭、竹、菊、梅の4種の草木を指します。君子とは、人徳・学識・礼儀に優れた人の事です。蘭・竹・菊・梅がもつ特長が、それぞれ君子の特性と似ていることから四君子と呼ばれ、中国宋代より東洋画の画題としてよく用いられています。 蘭は、春に花を開き清らかな香りを漂わせて、まさに貴人の風格があります。竹は、天に向かって真っ直ぐ伸びる純粋さ、嵐がきても折れない強さ、幹の中が空洞なのは、謙虚な心をあらわし、まさに四君子の中でも君子です。蘭は、晩秋に咲き瑞々しい香りを放ち、静かに且つ美しく咲き誇り、決して挫けることのない風格を持っています。梅は、厳しい冬の寒さの中で、凛々しく開花し清く澄んだ香りを漂わせます。 安らぎと潤いを与えてくれる優しい花は、古くから人々に愛され自然に君子に例えられました。「このお仏壇には、どんな彫刻があるかなぁ」と違った角度からお仏壇を見るのも楽しいですよ。田邊1号でした。 |
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